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八千代市大和田にてケラバ瓦落下に伴う瓦屋根の雨漏りを復旧工事で回避、棟の取り直し工事も実施
【工事のきっかけ】
以前お世話になりました八千代市に賃貸住宅をお持ちのお客様より、瓦の補修依頼を承りました。屋根の角部分に取り付けられたケラバ瓦は風の影響も受けやすく、破損してしまうと雨漏りを引き起こす可能性も高くなります。今回はシーリング材補修も行い今後雨漏りを引き起こさないよう補修工事を実施しました。
基本情報
今回調査にお伺いしたのは八千代市大和田にあります賃貸物件として利用されている戸建住宅です。以前にも補修工事でお世話になりましたお住まいですが、今回は瓦の割れや欠損が起き今後、雨漏りを引き起こす可能性が非常に高い為早急な補修をご希望でした。
瓦屋根としては急勾配でご自身で状態を確認するのは難しい為、街の屋根やさんで全体の無料点検を行いました。
まずは瓦の端に取り付けられたケラバ瓦の欠損です。けらばとはそもそも部材の名称ではなく箇所の名前に当たりますが、雨樋が取り付けられる場所が「軒」に対し、妻側の端が「けらば」と呼ばれます。これは日当たりの調整・紫外線による外壁の劣化防止・雨水の吹き込み防止の主な3つの役割を担っています。意識をして見たことはないかと思いますが、このような瓦もあるのかと一度お住まいでも確認いただければと思います。けらば瓦は最端についているため、強風の影響を受けやすく固定している釘が抜け落下してしまう事も少なくありません。その多くの原因が下地木材の腐食です。木材は経年による湿気や雨水の吸水によって徐々に耐久性が低下してしまいます。すると肉痩せや割れを起こし、釘も無意味になってしまいます。けらば瓦が無くなってしまうと、瓦の下に葺かれている防水紙も露出し雨漏りを起こす危険性も一気に高まってしまいます。また落下した瓦は自動車やカーポート、下屋に落下し被害を拡大させてしまいますので非常に危険です。
続いては下屋の瓦割れですが、恐らくけらば瓦の落下によって割れてしまったのだと思います。瓦が割れることによって防水紙が露出するだけでなく、割れた際の衝撃によって防水紙自体が切れることも充分に考えられます。防水紙は雨漏りを防ぐ要、そのシートが切れてしまえば間違いなく雨漏りは発生し、室内への被害も免れません。そこで瓦を差し替えて防水紙を保護する必要があります。戸建住宅に使用されていた瓦はセメント瓦で現在販売されてはいませんので、色違いでの代用になります。またセメント瓦は塗膜が劣化してしまうと雨水を吸い込み、割れやすくもなります。今回割れた箇所に限らず全体の劣化を招きますので、いずれは全体の
塗り替えもしくは葺き替えをし住宅の耐久性維持を検討しましょう。
下屋の棟瓦に一部ズレが見られましたので、この機会に取り直し工事を行いました。一度棟と粘土を撤去し再度漆喰を積み形成し直していきます。南蛮漆喰は本来の漆喰にシリコンや防水材が含まれているため、雨水を侵入させず保護することが出来ます。今回は黒色の漆喰を使用していますが、乾燥に伴い徐々に白っぽく変色しますので本来の漆喰のように仕上げることが可能です。下地木材を銅線で固定したら冠瓦を元に戻しステンレスビスで固定します。新築時には釘が使用されている事が多いのですが、釘は抜ける揺れによって抜けることがありますので更に抜けにくいビスを使用して補修します。
ケラバ瓦の下地木材は既に傷んでいたため、木材を取り付け新たな下地を作ります。そこに南蛮漆喰を積みけらば瓦を取り付けていきます。屋根材の基本ですが、軒先から棟に向かって重ねることで雨水の流れを妨げることなく排出することが出来ます。これは防水紙の施工も同様の事が言えます。
防水紙は屋根工事の際に表面に現れることがない下葺き材です。信用した屋根業者に工事をお願いしたにも関わらず、防水紙を棟から葺いていたせいで、繋ぎ目から雨水が入り込み雨漏りが発生したという事例もあります。工事後は確認のしようが無いため、施工中の写真を撮影してもらい手元に残しておくと不測の事態が発生した際に原因がわかり対応がしやすいでしょう。
ケラバ瓦復旧後は雨水が浸入しにくくなるようにシリコン系コーキングで隙間を塞ぎました。瓦屋根にシーリング材を使用することはありますが、この施工方法にも注意点があります。
瓦をシーリング材で固定する施工は「
ラバーロック工法」と呼ばれています。本来は瓦同士を少しのシーリング材で固定する施工で、瓦の動きを抑制する為の物です。築年数が経過すると瓦も徐々に角が取れ丸みを持ちます。すると瓦が動きやすく浮きやすくなってしまいます。そのような瓦の動きを抑える為にラバーロック工法が用いられます。ここで注意するべきは、ラバーロック工法は雨漏りを防ぐ為のものではないという事です。数年前は「瓦屋根の雨漏りを防ぎます」という名目で飛込み業者が数多く存在しました。そして瓦のつなぎ目全てをシーリング材で埋めてしまっていました。すると瓦の内部に入り込んだ雨水の出口が無くなり、毛細管現象によって雨漏りが発生するというトラブルが多発しました。今回も雨水の浸入を防ぐ役割はありますが、必ず「雨水の出口を設ける」事が重要です。依頼する業者が正しい施工方法を行ってくれるのか、その施工方法が適正なのかをしっかり検討し工事を依頼しましょう。
今回雨漏りの原因となる瓦の欠損を早急に補修したおかげで、室内まで被害を拡大させることなく補修することが出来ました。瓦屋根の多くは引っ掛け桟工法で強固に固定されている工法ではなく、釘が使用されているお住まいも多い為、ズレや浮きを起こすことも多いのです。だからこそ強風や地震発生後はまず点検を行い、必要に応じたメンテナンスを行っていきましょう。
瓦屋根がどのような状況か、補修費用が知りたい等、補修に関して不安を感じる点がございましたらお気軽に街の屋根やさんへご相談ください。点検は無料ですしその後しつこいお電話等は致しませんのでご安心ください。
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